動物病院のための公式LINE作成ガイド
動物病院から飼い主様への情報提供ツールには、院内掲示物やSNSなど多岐にわたります。これだけで十分という正解はなく、エリアや年齢層に合わせてツールを選択し、組み合わせることが重要です。
そのなかで、ここ数年注目を集めているのが公式LINEによる発信です。まだ未導入の動物病院様に向けて、通常LINEとの違いやメリット、導入方法をご説明いたします。
公式LINEとは何?通常LINEとの違いは?

公式LINEとは、企業や店舗、団体などが運営する公式のLINEアカウントのことです。以前は「LINE@(ラインアット)」と呼ばれていましたが、2019年にサービスが統合され、現在は「LINE公式アカウント」が正式名称となっています。「公式LINE」「LINEビジネスアカウント」などと呼ばれることもありますが、すべて同じサービスを指しています。
私たちが普段使っている個人のLINEアカウントとは異なり、多くの人に一斉に情報を配信したり、自動応答機能を設定したりできる、ビジネス向けのコミュニケーションツールです。
通常のLINEとの違い
繰り返しになりますが、通常LINEとの違いは一対多数のコミュニケーションが可能な点です。個人のLINEでは友人や家族との一対一のやり取りが中心ですが、公式LINEでは病院側から複数の飼い主様に対して同時に情報を発信できます。
また、個人のLINEアカウントとは異なり、電話番号の交換や個人的な連絡先を知られることなく、ビジネスとして適切な距離感を保ちながらコミュニケーションを取ることができるのも大きなメリットです。
導入コスト
公式LINEは無料で始められます。また使い方によっては永続的に無料で運用する事も可能です。
現在の費用は下記表に記載致しますが、過去に改定の経緯がありますので、作成時や使用時に改めてご確認ください。
ホームページやSNSとの違いは?
ホームページやSNS(Instagram、Facebook、X等)は基本的に「プル型」の情報発信です。
つまり、飼い主様が自ら病院のホームページを見に行ったり、SNSをチェックしたりしなければ、新しい情報に気づけません。
一方、公式LINEは「プッシュ型」の情報発信が可能です。病院からメッセージを送ると、飼い主様のスマートフォンに通知が届き、LINEを開けばすぐに情報を確認できます。臨時休診などの情報をタイムリーに確実に届けることができます。
また、LINEは日本国内においての利用率が非常に高く、また年代による利用率の差も少ないと言われています。そのため比較的偏りなく情報提供が可能です。
動物病院での運用例
仕事柄100アカウント以上の動物病院様のLINEを登録していますが、活用の度合いにはかなりのばらつきがございます。多くの病院様が臨時休診の案内やキャンペーンの告知(ハミガキキャンペーンなど)、フィラリア予防の啓発に使われています。またリッチメニューを活用し予約や問診を行われている病院もございます。
弊社でも順番取り予約・時間帯予約どちらのシステムにもLINEとの完全連携ができるようになっております。
https://order-lp.wan-touch.com/features/line-order
公式LINEアカウント開設の手順
出来る限り簡単に公式アカウントの開設方法と最小限のスタートが出来る状態になるように説明致します。
ステップ①:LINE公式アカウントの作成
- LINE公式アカウント作成ページ(https://entry.line.biz/start/jp/) にアクセス
- 「LINE公式アカウントをはじめる」をクリック
- LINEビジネスIDの登録(LINEアカウントまたはメールアドレスで登録)
- アカウント情報を入力
- アカウント名:「○○動物病院の公式LINE」などが一般的です。
- 業種:「ペット」→「動物病院」を選択
- 会社・事業者名:正式な病院名を入力

ステップ②:プロフィール情報の編集
アカウント名の変更
最初に設定した公式LINEのアカウント名を変更する事が可能です。
管理画面の右上部にある設定ボタンを押して、左側メニューからアカウント設定を選択
こちらの基本設定→アカウント名からアカウント名を変更する事が可能です。


ステータスメッセージ
アカウント名の下部に表示される短いメッセージです。
アカウント名下の「ステータスメッセージ」から変更できます。空白でも問題ございません。「〇〇エリアの〇〇動物病院です。」などの自己紹介が一般的です。場合によってはこちらは「予約専用のアカウントです。」や「春キャンペーン実施中です」などと入力しご活用ください。

プロフィール画像
下記部分から変更可能です。よく見られる部分ですので、病院の顔となる画像を選択してください。ロゴ画像などを使用されるケースが一般的です。

背景画像
アカウントの背景に表示される画像です。病院の外観画像や院内画像などがおすすめです(設定なしでも問題なく、設定されていないケースも多いです)。これら以降の設定は下記プロフィールより行えます。


ステップ③:基本設定の作成
最低限必要と思われる箇所についてお伝え致します。
- 診療時間と休診日
- 住所と地図情報
- 電話番号・WEBサイトアドレス
上記入力頂ければ必要最低限の情報がそろいます。
各種情報を編集するには、左側のプレビュー画面の該当箇所をクリックしてください。

それぞれ入力後は有効ボタンを忘れずにONにしてください。

ステップ④:応答設定
応答設定は飼い主様からメッセージを受け取った際の対応方法を決める重要な設定です。

挨拶メッセージ
挨拶メッセージは最初に友達登録された時に表示されるメッセージです。よほどの事が無い限りはONにされる事をお勧めします。内容を設定できますので、適宜修正されてください。例えば予約として使われる場合であれば、「予約専用のアカウントです」など最初にメッセージで伝える事が重要です。

チャット
飼い主様からの個人的なメッセージを受け入れるかどうかの設定です。
個別のやりとりが難しい場合は、一方通行の発信ツールと割り切ってOFFにされる事をお勧めします。

ONにした場合は、①完全に手動で返事をする②応答メッセージを活用するなどが設定できます。また、診療時間外は対応できない旨のメッセージを送るなども設定可能です。適宜調整されてください。

公式LINEのさらなる活用
リッチメニューの作成
リッチメニューとは下記のようなもので、ホームページのようなメニューを作り、伝えたい情報を一元化することが可能です。各ボタンごとにリンクや機能を追加することができるため、様々な活用が可能です。

動物病院では「診療予約」「診療案内」「アクセス」「お知らせ」「緊急時対応」「健康情報」などのメニューを設置することで、飼い主様が必要な情報にすぐアクセスできる環境を整えられます
リッチメニューの作り方は下記記事を参考にしてください。
また、弊社でオリジナルのデザイン作成もしておりますので、お気軽にお問合せください。
まとめ
公式LINEは、動物病院にとって飼い主様との効果的なコミュニケーションを実現する強力なツールです。無料で始められ、プッシュ型の情報発信により、重要なお知らせを確実に届けることができます。
重い腰が上がらないというケースや何をすればよいかわからないというケースにお役立ちできれば幸いです。
導入について不明点については無償でサポートも行っております。どうぞ気兼ねなくご相談ください。