既存の飼い主様にリピートしてもらうためのデジタル施策|LINEやメールを活用する方法
動物病院の経営では、新しい飼い主さんに来院してもらうことだけでなく、既存の飼い主さんに継続して通ってもらうことも重要です。
一度来院していただいた飼い主さんに、次回の健康診断やワクチン接種、予防医療などでも利用していただくためには、日頃から病院とのつながりを維持することが大切です。
しかし、診察時に次回の来院時期を伝えていても、飼い主さんが忙しい日常の中で忘れてしまうことは珍しくありません。「そろそろ健康診断の時期だけれど、いつ行けばよいのか分からない」「ワクチン接種の予定を忘れていた」といったケースも考えられます。
そこで活用したいのが、LINEやメールを使ったリマインド施策です。
今回は、既存の飼い主さんに継続して来院してもらうために、動物病院が取り組みたいデジタル施策と、その具体的な活用方法を紹介します。
既存の飼い主様へのフォローが重要な理由
動物病院では、病気やケガの治療だけでなく、健康診断やワクチン接種、フィラリア予防、ノミ・マダニ予防など、継続的なケアが必要になる場面が多くあります。
こうした診療は、適切な時期に飼い主さんへ情報を届けることで、受診のきっかけをつくりやすくなります。
一方で、病院から何の案内もなければ、飼い主さんが次回の受診時期を忘れてしまったり、来院のタイミングを逃してしまったりすることもあります。
そこで重要なのが、病院側から適切なタイミングで情報を届ける仕組みです。
LINEやメールを活用すれば、診察の際に伝えた内容を後日あらためて案内できます。飼い主さんにとっては必要な情報を思い出すきっかけになり、動物病院にとっては継続的な健康管理をサポートする機会になります。
LINEを活用して定期健診やワクチン接種を案内する
LINEは、飼い主さんに情報を届けるための手段の一つです。普段から利用している人も多く、病院からのお知らせを確認してもらうきっかけをつくれます。
定期健診の時期をお知らせする
たとえば、前回の健康診断から一定期間が経過した飼い主さんに対して、健康診断を検討する時期を案内します。
以下のメッセージ例のように、単に来院を促すのではなく、ペットの健康管理をサポートする情報として伝えることがポイントです。
「こんにちは、〇〇動物病院です。大切なご家族の健康状態を確認するため、定期的な健康診断をおすすめしています。前回の健診から時間が経過している場合は、この機会に受診をご検討ください。ご不明な点やご予約については、お気軽にお問い合わせください。」
ワクチン接種の時期を案内する
ワクチン接種についても、接種履歴や獣医師の判断に基づいて適切な時期に案内することで、飼い主様が予定を把握しやすくなります。
ただし、必要な接種時期や種類は、動物の年齢、健康状態、過去の接種歴などによって異なります。一律の時期を自動配信するのではなく、個々の状況に合わせた案内をするように注意しましょう。
LINEから予約につなげる
案内を送るだけでなく、その後の行動につなげることも大切です。
予約ページへのリンクや電話番号をメッセージに掲載すれば、飼い主さんが次に何をすればよいのか分かりやすくなります。
LINEを単なるお知らせの配信先として使うのではなく、予約や問い合わせにつながる窓口として整備することが重要です。
メールを活用して詳しい情報を届ける
LINEだけでなく、メールも継続的なフォローに活用できます。
メールのメリットは、ある程度まとまった情報を伝えやすいことです。定期健診の内容や予防医療の考え方、季節ごとに気をつけたい病気など、飼い主さんに知ってほしい情報を詳しく紹介できます。
たとえば、春にはフィラリア予防やノミ・マダニ対策、秋冬には体重管理やシニア期の健康チェックなど、季節に応じた情報を配信する方法があります。
また、シニア期に入った犬や猫の飼い主様には、年齢や健康状態に応じた健康管理について案内することも考えられます。
ただし、配信内容は動物の状態や個別の診療方針に配慮し、すべての飼い主さんに同じ情報を送るのではなく、必要に応じて内容を分けるとよいでしょう。
LINEとメールを使い分ける
LINEとメールは、どちらか一方だけを使う必要はありません。それぞれの特徴に合わせて使い分けることで、飼い主さんに必要な情報を届けやすくなります。
例えば、次のような使い方が考えられます。
- LINE: 健康診断の時期のお知らせ、予約案内、臨時休診のお知らせ
- メール: 健康管理に関する詳しい解説、季節ごとの予防情報、病院からのお便り
短く伝えたい情報はLINE、詳しく説明したい情報はメールというように、内容に合わせて選ぶと運用しやすくなります。
また、すべての飼い主さんがLINEやメールを利用しているとは限りません。デジタルでの連絡を希望しない方や、電話での案内を希望する方にも配慮し、複数の連絡手段を用意しておくことが大切です。
飼い主様ごとに案内内容を変える
リピート促進を考えるうえで、もう一つ意識したいのが、飼い主さんごとの状況に合わせた情報提供です。
例えば、子犬や子猫を迎えたばかりの飼い主さんと、シニア期の犬や猫を飼っている方では必要な情報が異なります。
子犬・子猫の場合は、予防接種や成長に合わせた健康管理についての案内が役立ちます。
一方、シニア期のペットの場合は、定期的な健康チェックや日常生活で注意したい変化についての情報が役立つことがあります。
そのため、飼い主さんの同意を得たうえで、動物の年齢や診療履歴、次回の受診予定などを適切に管理し、必要な情報を必要な方に届けられる仕組みを整えることが理想的です。
ただし、配信のために必要以上の個人情報を集めたり、診療情報を目的外で利用したりしないよう注意しましょう。配信への同意や停止方法を分かりやすく案内し、情報を適切に管理することも飼い主さんからの信用をなくさないために大切なことです。
配信して終わりにせず、効果を確認する
LINEやメールを導入したら、配信して終わりにするのではなく、どのような成果につながっているかを確認しましょう。
例えば、以下のような項目を定期的に振り返ります。
- メッセージの開封や閲覧状況
- 予約ページへのアクセス数
- 配信後の予約件数
- 健康診断や予防診療の受診状況
- 配信停止や問い合わせの状況
ただし、予約が増えたからといって、必ずしも配信だけが理由とは限りません。季節や診療内容などの影響も考えられるため、複数の指標を見ながら改善していくことが大切です。
最初から複雑な仕組みを導入する必要はありません。まずは健康診断のお知らせや休診日の案内など、運用しやすい内容から始め、少しずつ改善していくとよいでしょう。
「また来たい」と思ってもらえるロイヤルティ施策
飼い主さんに継続して来院してもらうには、再来院するメリットを感じられる仕組みづくりも大切です。
デジタル会員証・ポイントカード
LINEなどを活用してポイントを管理し、一定数貯まったらペット用のおやつやグッズをプレゼントするなど、継続利用の楽しみを作ります。
バースデー特典・限定クーポン
ペットの誕生月にLINEやメールでお祝いメッセージやプレゼント引換券を配信する方法です。飼い主さんに親しみを感じてもらい、病院とのつながりを深めるきっかけになります。
リマインド施策と組み合わせ、飼い主様に喜ばれる情報や特典を届けることで、長期的な信頼関係の構築につなげましょう。
まとめ|デジタル施策で継続的な健康管理をサポート
既存の飼い主さんに継続して来院してもらうためには、一度の診療で関係が終わるのではなく、その後も必要な情報を届けられる仕組みを整えることが重要です。
LINEやメールを活用すれば、定期健診やワクチン接種の時期を知らせたり、季節に応じた予防情報を届けたりすることができます。
大切なのは、単に来院回数を増やすことだけを目的にするのではなく、飼い主さんがペットの健康管理を適切に続けられるようサポートすることです。
まずは、定期健診のお知らせや次回の受診時期の案内など、できることから始めてみましょう。
飼い主さんにとって役立つ情報を、適切なタイミングで、分かりやすく届ける。その積み重ねが、動物病院への信頼を獲得し、長期的な関係づくりにつながっていきます。