こんにちは!
今回は、マーケティングの話で、飼い主さんを増やそう!!って話です。
具体的には、飼い主さんに”かかりつけ病院”として選んで頂くために、フードの販売を活用する方法をご紹介します。

狂犬病接種頭数の推移

まずは下記のグラフをご覧ください。

ここ数年、犬の頭数が減少しているのはご存知かと思います。

上記のグラフは厚生労働省発表の狂犬病接種頭数を、年度別に加工したものです。

狂犬病を予防されない方は、おそらく来院もされないでしょう。

よくある”飼育頭数全体の推移“よりも、現場の実態に近いと思い、ピックアップしました。

 

ご覧頂くと、今から10年程度前くらいをピークとし、その後急激に落ちています。この10年で50万頭(約10%)程度接種頭数が減少した事になります。

全国の動物病院数は、おおよそ1万件と言われていますので、割り算すると1病院あたり10年間で50頭の犬が減少している計算となります。

かなりの減少ですが、今後しばらくこの傾向は続くと予想されています。

動物病院施設数の推移

次に動物病院数の推移です。

     農林水産省飼育動物診療施設の開設届出状況(診療施設数)のデーターを元に加工したものです。

動物病院数は、10年前から右肩上がりで、ざっくりと2000件、20%の増加をしています。

いかがですか?

予想通りでしょうか??

私は、改めて調べてみて、思った以上に増えている事にびっくりしました。

唐突なデーター提示で失礼しました。が、是非現状を理解ください!

まとめると、

先生(女性)

市場は減少し続けているのに、病院は増加中です。

昨年と同じ事をしていれば

“確実”に患者さんは減ってしまうという事です!!

そこで、今回のテーマであるフードの販売をお勧めします。

 

フード販売の目的は?

フードの販売と言うと、「もういいよ!」や「うちはフード屋さんではない」などの声が聞こえてきそうですが、、、少し付き合って下さいね。

動物病院の軸は治療

動物病院は病気を治療するところであり、治療が病院の軸であるべきです。
これは、全ての病院さんに賛同いただけると思います。
また、利益の点からも治療は高くなるので、やはり収入源のメインとなるべきです。

動物病院の選び方は??

では、いざ治療や手術が必要になった際、飼い主さんの動物病院の選び方ですが、

2015年のペット総研さんの引用ですが、アンケート結果があります。

距離や、価格・サービスなどを圧倒的に抑えて、

半分近くの40.3%の方が信用できる獣医師がいる」を選ぶと回答されています。

信用を獲得するザイオンス効果

当たり前ですが、飼い主さんは信用できる先生がいる病院を探して、治療を受けたいと考えています。

では、飼い主さんに信用して頂く方法ですが、

“ザイオンス効果”と呼ばれる心理学の用語があります。単純接触効果とも言われたりしますが、接触回数を増やすことで好意的な印象を持ってもらえるという心理効果です。

身近な事例としては、「よくCMでみる企業だから、”安心“や”信用“できる。」などですね。皆さまも似たような感情をお持ちだと思います。

まとめると…

かかりつけ病院 = 信用できる事 = 接触回数が多い事

という事で飼い主さんとの接触頻度を向上させれば良いとなります。

先生1

※当然ですが、何度接触しても、本当に信用できない先生や病院であればアウトです。ここでの話は、素晴らしい技術やサービスがあったとしても、先生や病院の事を飼い主さんがよく知らないと信用はして頂けないという事です。

しかし、理由もなく病院に来ていただける訳はありません。

そこで重要なツールとなるのがフードです。

定期来院を促せる製品・サービス

予防薬などの来院頻度を以下にまとめています。

製品 来院頻度 おススメ度
ワクチン 1回/年 ×
フィラリア予防薬 4~6回/年 △(まとめ買いも多く、来院頻度は増えない)
ノミマダニ予防薬 4~6回/年 △(まとめ買いも多く、来院頻度は増えない)
トリミング 1回/月 〇(来院回数増えるが、対象が絞られる)
フード 1回/月 ◎(全てのペットが対象。毎日食べる)

他の製品と比べて、毎日食べる継続性・対象の広さという点で、フード販売が来院を促す際にもっとも有効性が高いといえます。

フード販売のメリット

もう少しフード販売のメリットを深堀りしていきたいと思います。

飼い主さんが求めている

飼い主さん向けのアンケートで”食事に関する質問“は、”しつけ”と同様に常に上位に位置するものです。

遠く未来の病気リスクよりも、今日から何を食べていくかが切実な問題です。その疑問に答えてあげる事は、重要なサービスにもなります。

投資が不要

「猫の飼い主さんの来院を促すために、診察室を犬猫分ける」。「OPE増加のために新しい機器を導入する」。これらのように他院と差別化し、集客を図るためには投資が必要です。

それに比べて、フード販売は多少の知識と在庫スペースさえあれば、すぐにでも誰にでも始められます。

会話回数が増える

理解しにくいお薬に比べて、食事は飼い主さんにとっても身近です。また、食事を変更する事で、便や体重などの変化も起こります。来院時の自然な会話の発生に繋がりやすいです。また、こちらから飼い主さんに話しかけるきっかけに繋がりやすいです。

フード販売の問題点

せっかくなので、フード販売の問題点を挙げておきます。

ネット・ホームセンター販売

多くの先生がフード販売を嫌がる理由であり、多くの病院が困っているポイントだと思います。フードに限らずですが、同じものが安価にまた身近にどこでも購入できてしまえます。

特にネット販売は強力なライバルで、価格・利便性ともに優位性があります。

ここ数年は、最初の処方や紹介だけ病院で、あとはネットで購入するというスタイルがかなり浸透してきています。この対策はいくつかあるのですが、別記事でまとめさせて頂きます。

在庫の問題

フードは、病院扱いの薬や他の製品と比べて、サイズが非常に大きいです。

また、病気毎や嗜好性を考慮すると、扱う種類も多くなります。それらを在庫するスペースが確保できないという問題点もあります。

利益の問題

物販全般に言えることですが、処方された際の利益は低い傾向にあります。

まとめ

病院の柱である「治療」を増やすためには、飼い主さんの信用を獲得し、かかりつけ病院になる必要があります。

病院に来て頂けない事には、”信用できるかどうかの判断”もして貰えません

病院と飼い主さんの接点として、フード販売がもっともお勧めです。

 

アニラボ

林有美